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伝統工芸品と湿度

2021年1月26日

伝統工芸品と湿度

寺院などの装飾からお正月の食卓まで、さまざまな場所に登場する金箔ですが、日本で生産されている金箔の99%が石川県金沢市で生産されています。
市場を独占している理由として、金沢市が金箔の製造に適した環境であることが挙げられます。

金箔は金を和紙に挟んで重ね、たたいて薄く延ばしていきます。 完成した金箔は一万分の一ミリと、手で触るとくずれてしまうほどとても薄くなります。 製造中に静電気が発生すると、金箔同士がひっついてしまうため、金箔の製造には静電気が起きにくい、湿度の高い環境が適しています。

石川県は日本海側から、水分を多く含む空気が吹き抜けるため、雨が多く一年を通して湿度が高いことが特徴です。 過去30年間の気象庁計測データによると、金沢市の1月の平均相対湿度は75%でした。東京都が52%であることと比べると、冬でも湿度が大変高いことが分かります。

さらに、石川県の有名な工芸品として輪島塗がありますが、こちらも湿度の高さと大きく関係があります。 輪島塗に欠かせない「漆」は、湿度が高い方がよく乾きます。これは漆の性質で、空気中の水分から酸素を取り込み、化学反応を起こして硬化するためです。 乾かすのに空気が乾燥していてはいけないというのは不思議な話ですが、相対湿度70%以上が適切と言われています。

また、北陸地方の冬は降雪量が多く農業が難しくなるため、室内でできる産業が発展したとも言われています。 地域産業が発展してきた背景をのぞいてみると、その地域特有の環境のなかで、仕事を見つけ発展させてきた姿が見えてきますね。


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